ビアスタイル一覧
世界中には100種類以上のビアスタイルが存在します。 それぞれのスタイルが持つ独自の歴史、味の特徴、 そして楽しみ方を探索してみましょう。
ESB
発祥: 20世紀半ば(名称普及は1971年頃)、イギリス
モルトとイングリッシュホップのバランスが特徴。名前ほど苦くなく、バランスの取れた味わい。
IPA
発祥: 18世紀末~19世紀初頭、イギリス
ホップの香りと苦味が特徴。アメリカンは柑橘やトロピカル系、イングリッシュは穏やかな味わい。
アイスボック
発祥: 19世紀末?、ドイツ・フランケン地方(伝説)
ボックを凍結濃縮して造る極めて強いラガー。非常にリッチなモルト風味と滑らかな口当たり。
アイリッシュスタウト
発祥: 18世紀~19世紀、アイルランド(ダブリンなど)
ドライな飲み口とロースト麦芽のコーヒー風味が特徴。クリーミーな泡も有名なアイルランド発祥。
アウトブライン
発祥: 17世紀~、ベルギー・東フランダース地方
「古い茶色」を意味し長期熟成。穏やかな酸味と麦芽の甘み、ダークフルーツのような複雑さ。
アメリカンウィート
発祥: 1980年代~、アメリカ
酵母の個性が控えめでクリーンな味わい。軽やかな飲み口と柑橘系ホップが楽しめる爽やかな小麦ビール。
アルトビア
発祥: 中世からの進化、ドイツ・デュッセルドルフ
上面発酵ながら低温熟成。琥珀色でモルトとホップのバランスが絶妙な伝統的ドイツビール。
アンバーエール
発祥: 主に20世紀後半(1980年代頃)、アメリカ
琥珀色でモルトの甘みとキャラメル風味、ほどよいホップのバランスが取れた飲みやすいエール。
イタリアン・グレープエール
発祥: 2000年代半ば~、イタリア
醸造過程でブドウを使用。ワインとビールの特徴を併せ持ち、フルーティーで複雑な味わい。
イングリッシュ・ブラウンエール
発祥: 17世紀以前~、現代の形は20世紀初頭、イギリス
ナッツやカラメル、ビスケットのような麦芽風味が主体。ホップ控えめで穏やかに飲みやすい。
インターナショナル・ダークラガー
発祥: 20世紀、世界各地(ヨーロピアン・ダークラガーが起源)
世界のマスマーケット向けダークラガー。色は濃いが味は軽く甘め、ロースト感は控えめ。
インペリアルスタウト
発祥: 18世紀、イギリス・ロンドン
高アルコールで濃厚なロースト風味。コーヒーやダークチョコ、時に焦げた深い苦みの複雑なスタウト。
ヴァイツェン
発祥: 中世、南ドイツ・バイエルン地方
バナナやクローブのようなフルーティー&スパイシーな風味。濁った外観と豊かな泡立ちが特徴。
ヴァイツェンボック
発祥: 20世紀初頭、ドイツ・バイエルン地方
ヴァイツェン酵母のフルーティーさとボックの豊かなモルト感、高アルコール。濃厚で複雑な味わい。
ウィーヘヴィー
発祥: 19世紀、スコットランド
非常にリッチなモルトの甘みとカラメル風味。ホップ極めて控えめで濃厚、滑らかなスコットランド伝統。
ウィンナーラガー
発祥: 1841年、オーストリア・ウィーン
淡い赤銅色でモルトの豊かな風味。軽快でクリーンな後味のバランス良いオーストリア発祥ラガー。
オートミールスタウト
発祥: 19世紀末~20世紀初頭、イギリス/スコットランド
オートミール使用でなめらかでシルキーな口当たり。チョコやコーヒー風味にクリーミーさが加わる。
オールドエール
発祥: 18世紀~、イギリス
長期熟成で複雑な風味と滑らかな口当たり。バーレイワインに似るが色が濃く甘みが強い傾向。
オイスタースタウト
発祥: 20世紀初頭、イギリス/ニュージーランド(料理との組み合わせは18世紀~)
醸造に牡蠣を使用したスタウト。ほのかな潮の香りとミネラル感、まろやかさが加わることも。
カタリナサワー
発祥: 2015年頃~、ブラジル(サンタカタリーナ州)
ケトルサワーの爽やかな酸味と大量のトロピカルフルーツが特徴。低アルコールで爽快なブラジル発祥。
カリフォルニア・コモン
発祥: 19世紀後半、アメリカ・カリフォルニア州
ラガー酵母を高温発酵させるユニークな製法。アンバー色でモルト風味と特徴的なホップ香が共存。
グーズ
発祥: 19世紀頃、ベルギー・ブリュッセル周辺
若いランビックと古いランビックをブレンドし瓶内発酵。強い炭酸と複雑な酸味。「ブリュッセルのシャンパン」。
クアドルペル
発祥: 名称普及は1991年、オランダ(ラ・トラップ醸造所)/ ベルギー
修道院ビール最強タイプ。濃い琥珀〜ダークブラウンでリッチなモルト甘さとドライフルーツ風味。
クリーク
発祥: 19世紀~20世紀初頭、ベルギー
サワーチェリー使用のフルーツランビック。ランビックの酸味とチェリーの甘酸っぱさ、鮮やかな赤色。
クリームエール
発祥: 19世紀半ば~後半、アメリカ北東部
エールとラガーの中間的特性。非常にクリーンで軽く、クリスプな喉越しの爽やかなアメリカ発祥エール。
クリスタルヴァイツェン
発祥: 20世紀、ドイツ
ヘフェヴァイツェンを濾過して透明に。クリスタルのようにクリアで、よりクリーン&シャープな味わい。
クワス
発祥: 中世、東ヨーロッパ/中央アジア
ライ麦パンベースの東欧伝統飲料。軽い酸味と香ばしさを持つ微アルコール発酵飲料。
ケルシュ
発祥: 中世からの進化、現代の形は20世紀半ば、ドイツ・ケルン
エールとラガーの特性を併せ持つ。澄んだ黄金色で軽快クリア、微かなフルーティーさが調和。
ケンタッキーコモン
発祥: 19世紀後半、アメリカ・ケンタッキー州
禁酒法時代にケンタッキーで人気だった歴史的ビール。やや色が濃く酸味があったとされる。
ゴーゼ
発祥: 中世(13世紀頃)、ドイツ・ゴスラー(後にライプツィヒへ)
塩とコリアンダーを加えた伝統的サワービール。爽やかな酸味と軽い塩味で複雑ながらも爽快。
コールドIPA
発祥: 2018年頃、アメリカ・オレゴン州
IPAのホップ感とラガーのクリーンさを両立。副原料やラガー酵母使用が特徴の新しいスタイル。
サワーエール
発祥: 古代 / ヨーロッパ(特にベルギー、ドイツ)など
意図的に酸味を持たせたエール。乳酸菌や野生酵母で爽やかな酸味と複雑な風味を生み出す。
ジャーマン・ピルスナー
発祥: 19世紀後半(1870年代~)、ドイツ
チェコ式よりドライで苦味がシャープ、炭酸が強い。ホップのフローラル&スパイシーな香りが特徴。
シュバルツビア
発祥: 中世後期~16世紀頃、ドイツ(テューリンゲン/フランケン地方など)
濃い色ながら軽快でスッキリ。わずかなロースト感と軽いモルトの甘み、スタウトより軽い口当たり。
スタウト
発祥: 18世紀初頭、イギリス・アイルランド
焙煎麦芽の黒色ビール。チョコやコーヒー風味で、甘さやアルコール度数は種類により様々。
セゾン
発祥: 18世紀/19世紀頃かそれ以前、ベルギー・ワロン地方
スパイシーでフルーティーな香りと乾いた爽やかな味わい。軽快ながら複雑な風味の農場発祥エール。
セッションIPA
発祥: 2000年代後半~2010年代、アメリカ/イギリス
アルコール抑えめでIPAらしいホップ感を維持。長時間の飲み会でも楽しめる爽快で飲みやすいIPA。
ダブルIPA
発祥: 1990年代後半~2000年代初頭、アメリカ
ホップ使用量とアルコール度数を増した強烈なIPA。強い苦味とホップ香、リッチなモルトが調和。
チェコ・アンバーラガー
発祥: 19世紀~、チェコ共和国(ボヘミア地方)
ピルスナーとカラメルモルトで豊かな麦芽風味。ザーツホップとのバランスが良いチェコ伝統ラガー。
チェコ・ダークラガー
発祥: 19世紀~、チェコ共和国(ボヘミア地方)
ドイツのダークラガーとは異なり、ロースト控えめで甘みと滑らかさが特徴のチェコ伝統ラガー。
デュッベル
発祥: 原型は19世紀以前、現代版は1926年、ベルギー(ウェストマール修道院)
赤褐色で複雑なモルト風味とベルギー酵母のフルーティー&スパイシーさ。ドライな後味が絶妙。
デュンケル
発祥: 中世後期、ドイツ・バイエルン地方
ロースト麦芽のリッチな風味とほのかな甘み。しっかりした味わいながら飲みやすいバイエルン伝統。
デュンケルヴァイツェン
発祥: 中世~、ドイツ・バイエルン地方
バナナやクローブ香に加え、濃い麦芽由来のパンやカラメル風味。濃厚ながらも飲みやすい。
ドッペルボック
発祥: 17世紀、ドイツ・ミュンヘン(パウラーナー修道院)
ボックの強いバージョン。「二重」を意味し通常より濃厚で高アルコール。濃いカラメル風味が特徴。
トリペル
発祥: 原型は1930年代、確立は1956年、ベルギー(ウェストマール修道院)
高アルコールながら飲みやすい強いブロンドエール。フルーティー&スパイシーな香り、軽快な飲み口。
ドルトムンダー・エクスポート
発祥: 1870年代、ドイツ・ドルトムント
輸出用に少し高アルコール化。ヘレスとピルスナーの中間的な性格を持つドイツ・ドルトムント発祥。
トロピカルスタウト
発祥: 20世紀、熱帯地域(FESが起源)
熱帯地域向けスタウト。フォーリンエクストラより甘くロースト穏やか、フルーティーなエステル香。
バーレイワイン
発祥: 18世紀/19世紀頃、イギリス
非常に高アルコールでリッチなモルトの甘みと複雑な風味。熟成で変化する奥深いスタイル。
バルチックポーター
発祥: 18世紀後半~19世紀、バルト海周辺諸国(英国ポーターが起源)
ラガー酵母で低温発酵・熟成。英国ポーターより高アルコールで濃厚、滑らかで複雑な味わい。
ビエール・ド・ギャルド
発祥: 19世紀以前~、フランス北部(フランドル地方)
セゾンに似るがモルト風味が豊かで高アルコール。熟成による複雑な味わいが特徴のフランス北部発祥。
ピルスナー
発祥: 1842年、ボヘミア地方(現チェコ共和国)ピルゼン市
クリアでシャープな味わいとホップの爽やかな香り。世界で最も飲まれているスタイルの一つ。
フォーリン・エクストラスタウト
発祥: 18世紀末~19世紀、イギリス/アイルランド(輸出用)
熱帯地域向けの強いスタウト。ドライスタウトより高アルコールで、ロースト感や苦味が強い。
ブラゴット
発祥: 古代~中世、ヨーロッパ(特にイギリス、アイルランドなど)
麦芽と蜂蜜の両方を発酵。ビールとミードのハイブリッドで甘みとアルコール度数が高い。
ブラックIPA
発祥: 2000年代半ば、アメリカ(太平洋岸北西部/バーモント州など)
濃い色ながらIPAのホップ感。柑橘やパイン系の香りにほのかなロースト感が加わる個性派。
フランダース・レッドエール
発祥: 19世紀頃~、ベルギー・フランダース地方
オーク樽で長期熟成。酢のような酸味と果実味、ワインに似た複雑さ。「赤いワインのようなビール」。
フランボワーズ
発祥: 20世紀初頭、ベルギー
ラズベリーの華やかな香りと甘酸っぱさ、ランビックの酸味が調和したエレガントなフルーツランビック。
ブリュットIPA
発祥: 2017年頃、アメリカ・サンフランシスコ
酵素で糖分を完全分解した極めてドライなIPA。強いホップアロマと高炭酸、キレのある後味。
フルーツビール
発祥: 古代 / 世界各地
様々な果物を使用して醸造。ランビックベースから現代クラフトまで幅広く、フルーティーな味わい。
フルーツランビック
発祥: 19世紀~20世紀初頭(商業化)、ベルギー
ランビックにフルーツを加えて二次発酵。チェリーやラズベリーが代表的で、酸味と果実が融合。
ペールエール
発祥: 18世紀初頭、イギリス(特にバートン・アポン・トレント)
IPAより穏やかなホップ風味の黄金色エール。バランス良く飲みやすい親しみやすいスタイル。
ヘイジーIPA
発祥: 2010年代前半~中頃、アメリカ北東部(ニューイングランド地方)
濁った外観とジューシーでトロピカルなホップ風味。苦み控えめでフルーティーな味わいが前面に。
ベストビター
発祥: 20世紀初頭~半ば、イギリス
オーディナリーより風味豊か、ESBより軽い。バランスの取れた飲みやすさが魅力のパブ定番。
ペストリースタウト
発祥: 2010年代後半、アメリカなど
デザートのような風味の極甘濃厚スタウト。バニラ、チョコ、ココナッツ等を使用。高アルコール。
ベルジャン・ゴールデンストロングエール
発祥: 20世紀半ば、ベルギー
トリペルに似るがよりドライで炭酸が強い。高アルコールながら悪魔的な飲みやすさを持つ。
ベルジャン・ブロンドエール
発祥: 20世紀半ば、ベルギー
黄金色でフルーティー&スパイシーなベルギー酵母の風味。マイルドながら複雑さを併せ持つ。
ベルジャン・ペールエール
発祥: 20世紀半ば、ベルギー
ベルギー酵母で醸造。中程度の苦味とフルーティー&スパイシーな香りが特徴の飲みやすいエール。
ベルリナーヴァイセ
発祥: 17世紀頃、ドイツ・ベルリン
非常に軽い口当たりと爽やかな酸味が特徴。低アルコールで暑い季節に最適な伝統的小麦ビール。
ヘレス
発祥: 1894年、ドイツ・ミュンヘン
「明るい」を意味する澄んだ黄金色。モルトの甘みを前面に、穏やかなホップと爽やかな後味。
ポーター
発祥: 18世紀初頭(1720年代頃)、イギリス・ロンドン
スタウトの起源となった暗色ビール。チョコやカラメル、コーヒー風味でスタウトより軽い口当たり。
ボック
発祥: 原型は14世紀ドイツ・アインベック、ラガー化は17世紀ドイツ・バイエルン
濃い琥珀〜濃褐色でモルトのリッチな風味と甘み。通常のラガーより高アルコールの伝統的スタイル。
ホワイトIPA
発祥: 2010年前後、アメリカ
ヴィットビアの小麦感やスパイス香と、IPAの強いホップ香が共存するハイブリッドスタイル。
マイボック
発祥: 19世紀後半、ドイツ
春に飲まれる強いラガー。伝統ボックより色が淡くホップがやや強調された季節のビール。
マイルドエール
発祥: 17世紀以前~、イギリス
ホップの苦味が穏やかな低アルコールエール。モルトの甘みやカラメル風味主体で非常に飲みやすい。
ミルクスタウト
発祥: 20世紀初頭(1907年頃)、イギリス
乳糖を加えた甘みとクリーミーな口当たりのスタウト。コーヒーやチョコ風味に優しい甘みが調和。
メルツェン
発祥: 原型は16世紀以前、現代のアンバー版は19世紀半ば、ドイツ・バイエルン地方
オクトーバーフェストの伝統ビール。琥珀〜銅色でリッチなモルト風味、クリーンで滑らかな口当たり。
ライIPA
発祥: 20世紀後半~21世紀初頭、アメリカ
ライ麦使用でスパイシーさとドライな後味、わずかな粘性が加わるIPA。通常のホップ風味も健在。
ラオホビア
発祥: 中世からの伝統製法、確立は15世紀/16世紀頃~、ドイツ・バンベルク
ブナの薪で燻製した麦芽を使用。燻製肉やベーコンを思わせる独特の煙の香りと風味。
ラガー
発祥: 中世後期(15~16世紀頃)、南ドイツ・バイエルン地方
低温発酵でクリーン&スッキリ。世界で最も多く生産され、日本のビールもほとんどがラガー。
ランビック
発祥: 中世~、ベルギー・パヨッテンラント地方
空気中の野生酵母とバクテリアで発酵・熟成。強い酸味と複雑でファンキーな香りが特徴。
レッドIPA
発祥: 2000年代~、アメリカ
アメリカンIPAに豊かなモルト風味と赤み。ホップの香りと苦味にカラメルやトースト感が加わる。
低アルコール/ノンアルコールビール
発祥: 20世紀初頭(Near Beer)~現代、世界各地
アルコール度数を低く抑えた、または除去したビールテイスト飲料。製法や風味は多様。
白ビール
発祥: 中世(14世紀頃かそれ以前)、ベルギー(ヒューガルデン村周辺)
オレンジピールやコリアンダー使用。クリーミーで爽やかな飲み口とほのかなスパイシーさが特徴。