白ビール

発祥: 中世（14世紀頃かそれ以前）、ベルギー（ヒューガルデン村周辺）

概要

ベルギー発祥の小麦ビールで、オレンジピールやコリアンダーなどのスパイスを使用。クリーミーでさわやかな飲み口と、ほのかなスパイシーさが特徴のスタイルです。

歴史・起源

ベルギー、特にブリュッセル東部のヒューガルデン村周辺を発祥とする、中世から続く非常に古い歴史を持つ上面発酵の小麦ビールです。最大の特徴は、原料に麦芽化されていない生小麦（時にオーツ麦なども）を多く（伝統的には半分程度）用いること、そしてホップの使用が一般的になる前から、風味付けにコリアンダーシードや乾燥させたオレンジピール（特にキュラソー産）などのスパイス類を加えていた点です。これにより、爽やかな酸味と複雑でスパイシーな香りが生まれます。かつてはベルギー各地で盛んに造られましたが、ラガーの台頭などにより20世紀半ばには生産が途絶え、完全に消滅しました。しかし、1966年に、故郷の味を惜しんだピエール・セリス氏が私財を投じて醸造を再開（後のヒューガルデン醸造所）。彼の情熱によって奇跡的に復活を遂げ、その独特の味わいが世界中で愛されるようになりました。